Sunday, April 12, 2015

アメリカで従業員の一年間の評価を上手に行うための秘策とは?

前回までは、経営品質管理の最初の3つのフェーズ、つまり、目標を設定し、それを従業員に伝達し、それを実行するところまでお話しました。今回は、最後のフェーズであるフィードバックについてお話します。

部下と共に年初に設定した目標を、一年間、部下と共に実行した後には、部下へのフィードバックが待っています。
米国ではこのフィードバックのプロセスをPerformance Appraisalといいます。日本でいう、成果評価です。私は、このプロセスが非常に苦手です。日本人は全般的に苦手なのではないでしょうか?あまり、ものをはっきりと言わない日本人にとって、部下の前で、部下のことをどう思っているかを言うのは、余り居心地の良いものではありません。
私の会社では、4月下旬から5月位に、各従業員の前年度の評価と今年度の目標の設定を行います。
Performance Appraisalの際に、作成するフォーマットは、短くしたり、長くしたり、定性的な評価項目と定量的な評価項目のバランスを変えたり、何回も改良を加えましたが、基本的な部分はあまり変わっていません。要は、その部門が目標を達成出来たのか否かを振り返り、その人が目標達成に貢献した点(良かった点)とその人が更に改善すべき点(悪かった点)を具体的に記述し、悪かった点についてどの様に改善すれば良いかアドバイスを記載し、次年度の目標に反映させます。
日本でも、米国のマネをして、目標管理制度が導入されてから20年以上になると思いますが、正直なところ、幹部も一般従業員もあまりこの制度を重要視している様には見えません。いまだに、日本では、終身雇用、年功序列が一般的で、目標の評価が良くても、悪くても、自分のキャリアパスや給与にそれ程大きな影響がないからでしょう。
目標評価のシートに空欄があっても、面接の時間が短くても、極端な話、面接をしなくても、部下から文句を言われたことはありません。


アメリカ人の従業員に自己評価をさせてみる。
しかし、終身雇用や年功序列の無い、アメリカでは、この点は大きく異なります。会社を移動することによって、ステップアップしていく、アメリカ人はにとっては、Performance Appraisalに何が記載されているかは非常に重要です。ここに良いことが記入されていると、次の会社に自分を高く売り込めますし、逆に、悪いことが記入されていると、自分の市場での価値が下がってしまいます。
極端な話、アメリカ人は、Performance Appraisalのために一年間働いていると言えますし、上司の最も重要な仕事は、Performance Appraisalの記入だと思っている節があります。
アメリカ人と、日本人の間の、こうしたギャップを埋めるためのやり方として、一つお勧めしたいのは、自己評価です。アメリカ人に自己評価をする様に指示すると、自分の良かった点、悪かった点を、非常に詳細に記載してきます。
例えば、Mikeという部下に自己評価をお願いすると、「Mikeは、顧客を常に大切にしている。彼の献身的な仕事振りが、会社の業績向上に、大きく貢献した。」等と、日本人ではありえない程、自分を持ち上げた文章を書いてきます。これを少し、修正してやれば、目標評価の完成です。
自分の評価について、これだけ大胆なことが書けるアメリカ人だから、自分の評価について、上司と話し合う時に、日本人の様な居心地の悪さを感じないのかというと、そうでもありません。
評価フィードバックの面接では、部下も緊張しているのが分かります。

アメリカではフィードバックは避けられないプロセスですし、アメリカ人にとって重要なプロセスです。一方、日本人は他人を評価することを嫌がりますし、そもそもフィードバックに時間を使うのは無駄だと思っています。従って、自己評価に遠慮しないアメリカ人の性癖を利用して、まず自己評価をさせ、効率的にフィードバックするのが、うまいやり方だと思います。

(この文章は、ロサンゼルスのコミュニティ誌「ライトハウス」2014年8月16日号に掲載された記事を修正・加筆したものです。)

No comments:

Post a Comment