Friday, July 31, 2015

明確な目標を設定すると、驚くほど達成に向けて努力するアメリカ人

アメリカ人は、目標を明確にしてあげないと仕事をしにくい様です。



特に年度末になると、「来年の会社の目標は何ですか?」という質問が、直接の部下から寄せられます。
そんな時には、「まあ、会社の目標は、自分一人で決めるよりも、幹部も入れてブレインストーミングをして決めた方が良いだろう。」ということで、目標設定のための幹部会議を設定します。するとそうした会議は、日本人が想定しているものと随分と違ったものになります。

私が経験した相違点を3つ程あげてみます。

第一に、まず議論を開始しようとすると「日本の親会社の目標は何ですか?」という質問が出ることが多いです。
「我々の会社は子会社であり、親会社の目標を達成することが、子会社の使命であるので、親会社の目標が分からないと自分達の目標は設定不可能。」というロジックです。これはもっともなのですが、残念ながら、親会社の上司に問合せると、「目標なんてまだ設定してないよ・・・。」という回答が帰ってくることが多いのが現実です。
たまに、目標が設定されていても、「真のグローバルカンパニーになる。」とか、「笑顔で努力する。」とか、翻訳不可能、説明不可能の目標であることが多いです。日本では自分の会社や部門の目標を設定することにさほど重要性を見出していませんし、ましてや子会社にわかり易く説明しようという意識はまだまだ希薄です。

第二に、目標(Objective)の議論をはじめると、それはObjective ではなく、Missionだとか、いやいやそれは、 visionだとか、 やたらと言葉に定義にこだわる部下が出てきます。
そのうち、Mission, Vision, Value, Objective, Strategy等の言葉の違いをレクチャーしてくれる輩が出てきたりします。しかし、アメリカ人もそれ程これらの違いを明確に理解しているわけではなく、人によって定義は様々です。
どうも、Mission, Vision, Value等が、Objectiveの上位概念で、これらが決まっていないと目標(Objective)が出来ないらしいのです。親会社の目標がないと自分達の目標が立てられないのと同じです。
要するに、アメリカ人は、自分達の目標の上位概念がしっかり決まっていないと目標がたてられない様です。

全社目標は社長がまず骨格を作ることが重要
第三に、会社の目標を決めるのは社長の仕事と思っており、何故、会社の目標を決める会議に自分達が巻き込まれなければならないのか理解出来ないようです。
日本では、各本部の目標は、トップである本部長が独断で決めるのではなく、本部の複数の幹部が集まって合議して決めていました。しかし、アメリカでは、会社の目標(全社目標)は、トップである社長が決めることが期待されています。
全社目標をアメリカ式に社長一人で決めるアメリカ流と、合議制で決める日本流とには、それぞれに長所短所があります。私は、日本のよいところを取り入れて、合議制を定着させようとしました。しかし、その場合でも、アメリカ流のよい所も取り入れて、目標の骨格は私から示す様にしました。

最後に、アメリカ人は、目標を明確に与えると、びっくりする程、その達成に向けて努力します。但し、日本人の様に、目標が無くても、上司の期待を慮って仕事をするのが苦手です。ですから、目標を如何にうまく設定できるかが、成否を左右する鍵と言っても良いでしょう。
アメリカ人は、クリエイティブですし、自分の考えを述べることに日本人程躊躇しません。但し、全社目標の様な大きな話題では、社長のガイダンスや、上位概念の無い中で、自分の考えをのべるのは、さすがのアメリカ人でも躊躇する様です。

ですから、目標設定に際しては、こうしたアメリカ人の心理を理解して、対応することが重要です。

(このブログはカリフォルニアの情報誌ライトハウス2014年8月16日号に掲載された文章を修正加筆したものです。)

Sunday, July 26, 2015

会社主催のホリデーパーティーは、盛大?簡素?どちらが従業員に喜ばれる?

アメリカでは、11月下旬の感謝祭の翌日から、11日までを、ホリデーシーズンと呼びます。この時期、会社では、従業員の一年間の貢献に対する感謝の気持ちを伝えるために、ホリデーパーティーが開催されます。こうしたパーティは、クリスマスパーティと呼ばれていましたが、クリスチャン以外の従業員に対する配慮もあって、最近はホリデーパーティの呼び名が定着した様に感じます。




私が赴任した当時(2004年頃)は、こうしたパーティは、盛大で華やかでした。
平日の夜に、近くのホテルの大きなパーティー会場に、従業員とそのパートナー(一般的には配偶者)を招待。カクテルで1時間程会場の外で談笑した後、着席してフルコースの食事を楽しみます。
その後は、バンドも入って深夜までまでダンス。正装して紳士淑女となった従業員達が、お酒を飲んですっかり陽気なり、普段と違った側面を見せてくれる、アメリカらしい、楽しいイベントでした。
私の会社の事務所は、カリフォルニア以外に、ボストン、テキサス、コロラド等にもありましたので、この時期になると妻と一緒に、これらの場所へも出張したものでした。
しかし、ホリデーパーティーは、次第に簡素化されていきました。
まず、場所が、ホテルのパーティ会場から近くのレストランに変更になりました。しかも、従業員本人だけが出席し、パートナーの出席は認められなくなりました。
まだ、この段階では、夕食会だったのですが、そのうち、これが、昼食会にダウングレード。そして、最近は、会場がレストランではなく、社内のカフェテリアです。料理も出前の極めて質素なものです。従業員へのせめてもの償いとして、当日は、昼食後は、帰宅して良いことにしました。
他の会社に人に聞いても、最近、ホリデーパーティは質素になりつつある様です。多くの人は、きっかけはリーマンショックにあったといいます。それをきっかけに、経費削減のためホリデーパーティを簡素化しましたが、それがそのまま定着してしまったらしいのです。

パーティーで従業員と仲良くしすぎるのはNG
簡素化が定着した理由には幾つかの説があります。
第一に、米国人は会社のために多くの時間を割くことを好まず、もともと、会社主催のホリデーパーティを止めたがっていたという説。
第二に、最近アルコールに対する取締りが厳しいので、会社の行事でアルコールを出すことに、会社側が慎重になり始めたという説。
まあ、どちらも一理あると思います。ただ、日本人の私は、イベントが簡素化されて、少しほっとした部分もありました。それは、ホリデーパーティで、従業員の夫婦同士の付き合いが始まると、その従業員を解雇せねばならない事態に直面した時に、冷静な判断をしようとしても、躊躇してしまうからです。そんな訳で、こうしたパーティを通して、従業員と家族単位での付き合いをあまり深めてしまと、解雇に慣れていない日本人は居心地が悪くなってしまう場合もあります。
アメリカ人が会社主催のホリデーパーティが好きなのか、嫌いなのかは、10年たった今でも良く分かりません。まあ、日本でも宴会好きの人もいれば、宴会嫌いの人もいる様に、人それぞれなのでしょう。
但し、良くも悪くも、ホリデーパーティは、アメリカ人にとって、かなり関心が高いイベントであることは確かです。
幹部会議で、ホリデーパーティーを議題に取り上げると、普段寡黙な幹部も議論に参加し、喧々諤々の白熱した議論になります。また、かなり多くの従業員が、何年も前のホリデーパーティの写真を、自分の机の上に大切に飾っていたりします。
ホリデーパーティをどうハンドルするかによって、社長の評判も変わってきますので要注意です。

(この記事は、カリフォルニアの情報誌LIGHTHOUSE 2014年8月16日号に掲載された記事を修正加筆したものです。)