Wednesday, November 26, 2014

アメリカの社会において経営幹部の合宿を成功させるには

経営方針、戦略、目標等、会社にとって重要な事項を決定する際には、経営幹部が集まって議論をする必要があります。そういう時、打合せを社外で行う場合があります。忙しい経営幹部が、まとまった時間、他の業務に邪魔されずに、集中して議論できる様にという目論みです。時には、宿泊する場合もあります。日本でいう合宿のイメージですね。こうした打合せを、私の会社ではOffsite Meetingと呼び。社外取締役を引き受けていた他の団体では、 Retreatと呼んでいました。
日本にいた時には、私の本部では、四半期に一回、週末を利用して合宿をしていました。幹部30名程度が、会社の研修施設に宿泊し、土曜日、日曜日の2日間にわたって、本部の方針、戦略等を集中討議していたのです。
そこでは、討議そのものも重要でしたが、チームとしての一体感を作ることも同程度に重きを置いていました。幹部が2日間、同じ屋根の下で、時間を共有する。幹部同士が、一緒に風呂に入り、一緒に食事をする。長時間一緒にいて、同じ体験をすることそのものに意味を見出していました。
また、チームとしての一体感を作るためには、わざと困難なスケジュールを作り、それを全員で達成することにより、士気をあげることも重要でした。夕食後も、浴衣姿で、深夜遅くまで議論する。その後、一緒に酒を飲みながら熱く語り合う。翌朝は眠い目をこすりながら、更に頑張って議論を続ける。まさに、根性ドラマです。

米国に来てすぐの頃は、この日本の合宿モデルをほぼそのまま持ち込みました。さすがに土曜日、日曜日の2日間は、ローカル従業員の反対が強かったので、金曜日と土曜日の午前中として、四半期に一回開催しました。
事務所から1時間半程度離れたリゾートホテルで、金曜日は朝から晩まで、土曜日は午前中のみ、様々な議論をしました。私の案では、金曜日の夕食後も、会議室で、討議を続けて、根性を鍛えることになっていたのですが、気がつくとローカル従業員がさりげなく予定を変更していました。夕食後は、夜の海岸でみんなで焚き火を囲んでスモアを楽しみながら、議論をするという、日本から来たばかりの私にとっては、何とも軟弱なプログラムになっていたのです。
その後、ローカル従業員がどんどんと、変更を加え、私の意図は骨抜きにされていきました。まず、場所が事務所から30分位の普通のホテルに変更。半分位の出席者が、夜は自宅に帰って、翌朝また来る様になってしまいました。そして、次の段階として、ホテルで、金曜日のみの日帰り開催に変更。さらには、ホテルは止めて、事務所の大会議室で、金曜日一日限りの開催。最近は、事務所で、金曜日の午前10時~午後3時とどんどん簡易化が進んできています。
アメリカ人は、重要な議論のためには長時間拘束されるのも厭いませんが、チームの一体感を高めるという漠然とした目的のために、長時間拘束されるのを極端に嫌います。特に、金曜日の午後や週末にそういたイベントが入るのを嫌がります。確かに、4半期の目標を議論するなら、きちんと事前準備をして、集中して議論すれば、5時間もあれば十分ですね。

もう一つ重要なのは、こうした打合せでは、必ず結論を出すことです。日本の合宿では、情報共有や親睦の意味合いもあるので、ダラダラと長時間議論したあげく、結論が出ないことも多いのですが。米国でそんな打合せをしていると、たちまち誰からもサポートされなくなります。

結論を出すためには、社長のリーダシップが特に重要です。ある程度、議論したら、そこからうまく結論を導き出し、会社の方針、戦略、目標等をてきぱきとまとめていかねばなりません。会社の方針、戦略、目標は社長以外決められないのですから。部下は、こうした場での社長のリーダシップを見て、この人についていくべきかを決めているのです。

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