前回は、戦略や目標を策定するためのOffsite Meetingについてお話しましが、次の段階として、策定された目標をしっかりと従業員に伝えて浸透させていく必要があります。.
私は、四半期に一回、全従業員全員を集めて、四半期毎の目標を説明しています。私の会社ではこうしたをAll Hands
Meetingと呼んでいます。
日本にいた時にも、四半期に一回、本部に所属する幹部社員を集めて、幹部社員集会というのをやっていました。本部に所属する7統括部の統括部長がそれぞれ四半期の目標を報告。一人当たり20分程度、休憩を挟んで3時間程度の会議でした。
最初に米国でAll Hands Meetingを実施した時には、基本的にはその形式を真似ました。私を含む幹部5名が一人当たり20分話をし、全体で約2時間近くかかりました。
私は、10枚程度のパワーポイントに要点を分かりやすくまとめ、20分で終わる様にシナリオもきちんと作成し、練習を繰り返して、本番に備えました。一生懸命でした。家族も巻き込んで練習したのを今でも覚えています。
従業員に業績を少しでもわかりやすく伝えようとして、プレゼンテーションには沢山の数値を盛り込みました。数値は万国共通語なので、英語が母国語でなくても比較的簡単に説明出来ます。ですから、分かってもらおうとすればする程、数値を中心としたプレゼンテーションになりがちでした。
暫くすると、従業員の間から、All Hands Meetingの時間が長い、プレゼンテーション内容が数値に偏っているという苦情が寄せられるようになりました。また、質疑応答の時間をもっととって欲しいという要望も寄せられました。
その時、日本の集会で、自分と関係の無い部門の話を20分も聞くのは苦痛だったこと、特に数値はよく分からなかったことを思い出しました。せっかくプレゼンテーションをしても、誰も分かっていないのです。それでも、日本では、情報共有という名目で、そうした形式的な会議が許されますが、合理性、効率性を求める米国ではこうした形式主義は通用しません。
また、質疑応答の時間を沢山取るのがもう一つのポイントです。日本の集会では、プレゼンテーションだけで、質疑応答の時間が無い場合もあります。米国の場合は、プレゼンテーションと質疑応答の時間は、1:2程度で、後者に沢山の時間を取った方が、好評です。
最近のAll Hands Meetingは、プレゼンテーションは5分。幹部5名が話すので、プレゼンテーションは全体で30分。その後30分~60分程度を質疑応答に充てています。
プレゼンテーションは、試行錯誤の末に、ポイントだけ簡単に記載してパワーポイント1~2枚を準備、シナリオは骨格だけ考えておき、聴衆の反応を見ながら話す様にしています。
質疑応答は、この形式に変えた当初は、従業員側も緊張したのか、あまり質問が出ませんでしたが、数名のさくらを入れてみたら、それをきっかけに沢山の従業員から質問が出て、最近は、質問が多く出すぎて断るのに苦労しています。
最初は、私も、英語の問題もあり、どんな質問が出るのか、うまく応えられるのか、不安でした。でも、今は、従業員と直接会話出来るこの形式をとても心地よく感じています。従業員が何を感じているかがよく分かるし、何と言っても、従業員と心が通う感じが良いですね。
プレゼンテーションは、格好良いとか、ユーモアがあるなども大切ですが、短いことと、分かりやすいことの2点がが一番大切。そして、プレゼンテーションの倍の時間を従業員との質疑応答に当てて、この時間を心から楽しむのがコツ。社長が楽しそうだと、従業員も安心するようです。