Friday, November 28, 2014

全従業員に会社の戦略や目標を伝える「All Hands Meeting」の上手な運用法

前回は、戦略や目標を策定するためのOffsite Meetingについてお話しましが、次の段階として、策定された目標をしっかりと従業員に伝えて浸透させていく必要があります。.
私は、四半期に一回、全従業員全員を集めて、四半期毎の目標を説明しています。私の会社ではこうしたをAll Hands Meetingと呼んでいます。
日本にいた時にも、四半期に一回、本部に所属する幹部社員を集めて、幹部社員集会というのをやっていました。本部に所属する7統括部の統括部長がそれぞれ四半期の目標を報告。一人当たり20分程度、休憩を挟んで3時間程度の会議でした。
最初に米国でAll Hands Meetingを実施した時には、基本的にはその形式を真似ました。私を含む幹部5名が一人当たり20分話をし、全体で約2時間近くかかりました。
私は、10枚程度のパワーポイントに要点を分かりやすくまとめ、20分で終わる様にシナリオもきちんと作成し、練習を繰り返して、本番に備えました。一生懸命でした。家族も巻き込んで練習したのを今でも覚えています。
従業員に業績を少しでもわかりやすく伝えようとして、プレゼンテーションには沢山の数値を盛り込みました。数値は万国共通語なので、英語が母国語でなくても比較的簡単に説明出来ます。ですから、分かってもらおうとすればする程、数値を中心としたプレゼンテーションになりがちでした。
暫くすると、従業員の間から、All Hands Meetingの時間が長い、プレゼンテーション内容が数値に偏っているという苦情が寄せられるようになりました。また、質疑応答の時間をもっととって欲しいという要望も寄せられました。
その時、日本の集会で、自分と関係の無い部門の話を20分も聞くのは苦痛だったこと、特に数値はよく分からなかったことを思い出しました。せっかくプレゼンテーションをしても、誰も分かっていないのです。それでも、日本では、情報共有という名目で、そうした形式的な会議が許されますが、合理性、効率性を求める米国ではこうした形式主義は通用しません。
また、質疑応答の時間を沢山取るのがもう一つのポイントです。日本の集会では、プレゼンテーションだけで、質疑応答の時間が無い場合もあります。米国の場合は、プレゼンテーションと質疑応答の時間は、1:2程度で、後者に沢山の時間を取った方が、好評です。
最近のAll Hands Meetingは、プレゼンテーションは5分。幹部5名が話すので、プレゼンテーションは全体で30分。その後30分~60分程度を質疑応答に充てています。
プレゼンテーションは、試行錯誤の末に、ポイントだけ簡単に記載してパワーポイント1~2枚を準備、シナリオは骨格だけ考えておき、聴衆の反応を見ながら話す様にしています。
質疑応答は、この形式に変えた当初は、従業員側も緊張したのか、あまり質問が出ませんでしたが、数名のさくらを入れてみたら、それをきっかけに沢山の従業員から質問が出て、最近は、質問が多く出すぎて断るのに苦労しています。
最初は、私も、英語の問題もあり、どんな質問が出るのか、うまく応えられるのか、不安でした。でも、今は、従業員と直接会話出来るこの形式をとても心地よく感じています。従業員が何を感じているかがよく分かるし、何と言っても、従業員と心が通う感じが良いですね。

プレゼンテーションは、格好良いとか、ユーモアがあるなども大切ですが、短いことと、分かりやすいことの2点がが一番大切。そして、プレゼンテーションの倍の時間を従業員との質疑応答に当てて、この時間を心から楽しむのがコツ。社長が楽しそうだと、従業員も安心するようです。

Wednesday, November 26, 2014

アメリカの社会において経営幹部の合宿を成功させるには

経営方針、戦略、目標等、会社にとって重要な事項を決定する際には、経営幹部が集まって議論をする必要があります。そういう時、打合せを社外で行う場合があります。忙しい経営幹部が、まとまった時間、他の業務に邪魔されずに、集中して議論できる様にという目論みです。時には、宿泊する場合もあります。日本でいう合宿のイメージですね。こうした打合せを、私の会社ではOffsite Meetingと呼び。社外取締役を引き受けていた他の団体では、 Retreatと呼んでいました。
日本にいた時には、私の本部では、四半期に一回、週末を利用して合宿をしていました。幹部30名程度が、会社の研修施設に宿泊し、土曜日、日曜日の2日間にわたって、本部の方針、戦略等を集中討議していたのです。
そこでは、討議そのものも重要でしたが、チームとしての一体感を作ることも同程度に重きを置いていました。幹部が2日間、同じ屋根の下で、時間を共有する。幹部同士が、一緒に風呂に入り、一緒に食事をする。長時間一緒にいて、同じ体験をすることそのものに意味を見出していました。
また、チームとしての一体感を作るためには、わざと困難なスケジュールを作り、それを全員で達成することにより、士気をあげることも重要でした。夕食後も、浴衣姿で、深夜遅くまで議論する。その後、一緒に酒を飲みながら熱く語り合う。翌朝は眠い目をこすりながら、更に頑張って議論を続ける。まさに、根性ドラマです。

米国に来てすぐの頃は、この日本の合宿モデルをほぼそのまま持ち込みました。さすがに土曜日、日曜日の2日間は、ローカル従業員の反対が強かったので、金曜日と土曜日の午前中として、四半期に一回開催しました。
事務所から1時間半程度離れたリゾートホテルで、金曜日は朝から晩まで、土曜日は午前中のみ、様々な議論をしました。私の案では、金曜日の夕食後も、会議室で、討議を続けて、根性を鍛えることになっていたのですが、気がつくとローカル従業員がさりげなく予定を変更していました。夕食後は、夜の海岸でみんなで焚き火を囲んでスモアを楽しみながら、議論をするという、日本から来たばかりの私にとっては、何とも軟弱なプログラムになっていたのです。
その後、ローカル従業員がどんどんと、変更を加え、私の意図は骨抜きにされていきました。まず、場所が事務所から30分位の普通のホテルに変更。半分位の出席者が、夜は自宅に帰って、翌朝また来る様になってしまいました。そして、次の段階として、ホテルで、金曜日のみの日帰り開催に変更。さらには、ホテルは止めて、事務所の大会議室で、金曜日一日限りの開催。最近は、事務所で、金曜日の午前10時~午後3時とどんどん簡易化が進んできています。
アメリカ人は、重要な議論のためには長時間拘束されるのも厭いませんが、チームの一体感を高めるという漠然とした目的のために、長時間拘束されるのを極端に嫌います。特に、金曜日の午後や週末にそういたイベントが入るのを嫌がります。確かに、4半期の目標を議論するなら、きちんと事前準備をして、集中して議論すれば、5時間もあれば十分ですね。

もう一つ重要なのは、こうした打合せでは、必ず結論を出すことです。日本の合宿では、情報共有や親睦の意味合いもあるので、ダラダラと長時間議論したあげく、結論が出ないことも多いのですが。米国でそんな打合せをしていると、たちまち誰からもサポートされなくなります。

結論を出すためには、社長のリーダシップが特に重要です。ある程度、議論したら、そこからうまく結論を導き出し、会社の方針、戦略、目標等をてきぱきとまとめていかねばなりません。会社の方針、戦略、目標は社長以外決められないのですから。部下は、こうした場での社長のリーダシップを見て、この人についていくべきかを決めているのです。